女騎士「くっ、コロナウイルス!」 オーク「落ち着いて冷静に対処しようぜ」

    virus_corona.png




    1 :名無しさん

    女騎士「近頃、我が国でコロナウイルスなるウイルスが猛威を振るっているな」

    オーク「ああ、感染者が続々増えてやがる」

    オーク「王国中の医師や魔術師が尽力してるが、終息まではまだしばらくかかるだろうな」

    女騎士「こうしてる間にも、ウイルスは空気中を漂ってるかもしれん……」

    女騎士「かくなる上は私がウイルスを成敗してくれる!」

    女騎士「てりゃっ! うりゃっ! とりゃっ!」ブンブンブンッ

    オーク「わわっ、あぶねえ! 落ち着けえ!」

    女騎士「これが落ち着いていられるか!」


    2 :名無しさん

    オーク「今んとこ分かってることは、コロナウイルスがもたらす病魔は」

    オーク「高齢者や、持病を持ってる人にとって特に危険だってことだ」

    オーク「俺らみたいな健康な奴がパニック起こしたら、そういう人も助からなくなっちまう」

    女騎士「くっ、すまん……」

    女騎士「しかし、どうすればよいのだ……!?」

    オーク「こういう時こそ、ウイルス対策の基本を思い出すんだ」

    女騎士「基本……?」


    3 :名無しさん 2020/02/20(木) 19:58:19.125 ID:Ll+fOiFV0.net

    オーク「まず、うがい手洗いをしっかりする」

    女騎士「ほう」

    オーク「もちろん、水でちょいとバシャッとやるだけじゃほとんど意味がねえ」

    オーク「石鹸を使って、指の間まで丁寧にな」

    女騎士「なるほど……」

    オーク「それとなるべく人混みは避ける。不要な外出はしない」

    オーク「騎士団でも飲み会なんかがあるだろうが、しばらくは自粛した方がいいだろうな」

    女騎士「くっ、飲みたい……」


    4 :名無しさん 2020/02/20(木) 19:59:08.286 ID:6ij1VLqqr.net

    さすがオークさん


    5 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:01:28.967 ID:Ll+fOiFV0.net

    女騎士「他になにかあるか?」

    オーク「あとはマスクの着用だな」

    オーク「口の周りをそれなりに保湿できるし、あと咳やクシャミを他人にかけずに済む」

    女騎士「そうか……マスクか!」

    女騎士「さっそく買わなければ!」タタタッ

    オーク「あっ……」

    オーク「ったく、全然落ち着けてねえじゃねえか……!」


    6 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:05:08.194 ID:Ll+fOiFV0.net

    ……

    オーク「あれ?」

    女騎士「……」ショボン

    オーク「なにしょぼくれてんだ?」

    女騎士「マスク……買えなかった……」

    オーク「まあ、今はみんな買うだろうからなぁ。品薄になってもしょうがねえよ」

    女騎士「マスクがない私は……つまりウイルスに対して無防備!」


    7 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:08:27.555 ID:Ll+fOiFV0.net

    女騎士「このままではコロナウイルスにヤられて、全身の細胞をズタボロにされて死んでしまう!」

    オーク「なんだそりゃ!?」

    オーク「全身の細胞をズタボロって……誰から聞いたんだよ」

    女騎士「町で噂になってたから……」

    オーク「あからさまなデマ情報に踊らされやがって……」

    オーク「悪質なデマに惑わされないことも、ウイルス対策では重要なの!」

    女騎士「くっ、私としたことが……」


    8 :名無しさん

    女騎士「しかし、私は町じゅうの店を探したのに、マスクは一つもなかった」

    女騎士「いくらなんでもおかしくないか?」

    オーク「まあ……たしかに。一つぐらい見つかってもいい気がする」

    オーク「品薄のわりに、街を見ても、マスクしてる人はあまりいないしなぁ」

    女騎士「だろう?」

    女騎士「これはきっと、マスクを奪った不届き者がいるに違いない!」

    オーク「やるとしたら……盗賊あたりか」

    女騎士「足を洗ったとはいえ、奴ならやりかねんな。見つけて、とっちめてやる!」


    9 :名無しさん

    マスクないよなぁマジで


    10 :名無しさん

    盗賊「ええっ!? 俺がマスクを!?」

    女騎士「そうだ。お前が盗んだんだろう?」

    女騎士「正直にいえば、罪は軽くしてやるぞ」

    盗賊「いやいや、俺はそんなことしませんぜ! もう盗みはやめたんですから!」

    女騎士「本当か?」

    盗賊「本当ですって! それに仮に現役の頃でも、病気につけ込むようなゲスな盗みはしませんよ!」

    オーク「こいつ、ウソをいってるようには見えないぜ」

    オーク「それに盗まれたんなら、店の連中がもっと大騒ぎしてるはずだ」

    女騎士「むむ……では誰が……?」


    11 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:18:29.913 ID:Ll+fOiFV0.net

    オーク「ん?」

    女騎士「なんだか騒がしいな」

    女騎士(どうやら商人の集団がマスクを売ってるようだ……新しく入荷したのか?)



    ザワザワ… ドヨドヨ…

    「マスク一枚、10万Gだよー! つけないと病死しちゃうよー!」



    オーク「なにい!? 10万ン!?」

    女騎士「いくらなんでも高すぎる!」


    12 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:21:19.101 ID:Ll+fOiFV0.net

    女騎士(奴らの後ろを見ると……)



    ドッサリ…



    女騎士「山のようにマスクが!」

    オーク「そうか、分かった……。奴らは“転売賊”だ!」

    女騎士「転売賊? なんだそれは!」


    13 :名無しさん

    オーク「近年、勢力を増してる新しい賊だ」

    オーク「皆が欲しがるものを早々に買い占めて、それを法外な値段で売りさばく手法で大儲けしてやがる」

    オーク「ある意味、山賊や盗賊よりずっと厄介な奴らだ……」

    女騎士「くっ、許せん!」

    女騎士「騎士として、私が成敗してくれる!」ダッ

    オーク「おい、待て!」


    14 :名無しさん

    表面上は合法なのが更に質悪い


    15 :名無しさん

    女騎士「貴様がこの集団のリーダーか!」

    転売賊「おや、騎士様。マスクを買われますか? 一枚10万Gで」

    女騎士「誰が買うか!」

    女騎士「皆が未知のウイルスに怯えてるご時世に、こんな商売が許されると思ってるのか!?」

    転売賊「思ってますが?」

    女騎士「な……!」

    転売賊「我々は自分で買った商品を、自分で新たに値段をつけて売っているだけですからね」

    転売賊「一切不正はしていませんし、法律にも触れていません」

    転売賊「一体なにがいけないんですか?」

    女騎士「ぐぐっ……!」


    17 :名無しさん

    女騎士「だが、こんな弱みにつけ込むような……」

    転売賊「弱みにつけ込むぅ?」

    転売賊「だったら食べ物屋は“食べないと餓えてしまう”という人々の弱みにつけ込んでますし」

    転売賊「運送屋は“遠くに物を届けたい”という弱みにつけ込んでるといえますよね?」

    転売賊「あなたたち騎士だって、“戦えない民”の弱みにつけ込んだ商売じゃないですか」

    転売賊「無給で民を守れといわれても、それは無理なはずですからね」

    女騎士「貴様ッ……!」サッ

    転売賊「お? 剣を抜きますか? 丸腰の善良な民に? やってごらんなさい」

    転売賊「ま、その瞬間、あなたの騎士資格剥奪は間違いなしですがね」

    ククク… ハハハ… サスガボス…

    女騎士「くうう……ッ!」


    18 :名無しさん

    古物取引資格なきゃダメじゃないのあれ


    19 :名無しさん

    オーク「落ち着け」

    女騎士「オーク! しかし……」

    オーク「こいつのいってることは正しい。今ここで争ったら、悪者になるのはお前だ」

    転売賊「魔物のくせになかなか話が分かるじゃないですか」

    オーク「ありがとよ」

    女騎士「オーク……! だが、こんな輩をのさばらせてはおけん!」

    オーク「分かってるよ。だったらこっちも……“正しい手段”で対抗すりゃいいんだ」

    女騎士「……へ?」


    21 :名無しさん

    ……

    オーク「はい、いらっしゃい、いらっしゃい!」

    オーク「今からオーク族に伝わる、手作りマスクの作り方を教えるよ〜!」

    オーク「かつて、集落で“オークコレラ”が流行った時も、オーク族はこれで乗り切ったんだ!」

    オーク「まず、布をこうして……」

    ワイワイ… ワイワイ…

    「へぇ〜、簡単だな」 「効果も高そう!」 「高いマスク買うよりはこっちの方が……」


    22 :名無しさん

    転売賊「マスク買いません? 一枚5000Gでいいよ!」

    市民「買わねえよ。オークに教わった手作りマスクでしのぐわ」スタスタ

    転売賊「……!」

    転売賊「あの野郎ども、余計なことしやがってぇ……! マスクを全然売りさばけない……!」

    手下A「ボス、どうします? このままじゃ大損です!」

    手下B「ええ、まずいですよ!」

    転売賊「こうなったら……!」


    23 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:43:32.229 ID:Ll+fOiFV0.net

    オーク「今日も大勢が集まったな!」

    女騎士「ああ、このマスク、呼吸もしやすいし保湿も出来て本当に優れ物だな!」フカフカ

    オーク「なにしろ、オークコレラを打ち破ったマスクだからな。コロナにだって負けねえよ」

    転売賊「待てや」

    ゾロゾロ… ゾロゾロ…

    女騎士「貴様らは……!」


    24 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:44:48.912 ID:DPqOjbNZr.net

    オークマスクSUGEEEE!


    25 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:46:43.816 ID:Ll+fOiFV0.net

    転売賊「てめえらのせいで、せっかく買い占めたマスクが全然売れなくなっちまった」

    転売賊「おかげで大損だ!」

    オーク「知らねえよ。買い占めなんてしたんだから、そういうリスクも覚悟しとけよ」

    転売賊「うるせえ!」

    転売賊「こうなったら、てめえら八つ裂きにして、“コロナにかかったらこうなる”って風評バラまいてやるよ」

    転売賊「そうすりゃ、マスクもバカ売れすんだろ!」

    オーク「ったく、転売失敗したらとたんに知能が低くなったな」

    女騎士「ふん、これが本性だということだ」


    26 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:49:13.016 ID:Ll+fOiFV0.net

    転売賊「やっちまえ!」

    ワァッ!!! ドドドッ…



    オーク「女騎士」

    女騎士「ん?」

    オーク「実をいうと……俺もこういう解決方法のが好きでなァ!」

    女騎士「フッ、知っていた」

    オーク「死なない程度に可愛がってやろうぜ!」


    27 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:52:52.377 ID:Ll+fOiFV0.net

    オーク「うりゃあっ!」

    バキィッ!

    女騎士「だあっ!」

    ザンッ!

    ドゴォッ! ズバッ! ドガァッ! シュバッ! …… ……



    転売賊「な、なんだと……!?」

    転売賊(たった二人であんな大勢を……!)


    28 :名無しさん 2020/02/20(木) 20:55:41.666 ID:Ll+fOiFV0.net

    女騎士「さて、残るは貴様だけだ」チャキッ

    転売賊「わ、わわっ……」

    転売賊「お、俺は悪くねえぞ! 全部国が悪いんだ!」

    転売賊「コロナウイルスに有効な対策を出せない国王や医者どもが……!」

    女騎士「救えんな」ビュオッ

    転売賊「ひゃあっ!」

    ピタッ

    転売賊「……」ピクピク

    女騎士「己の罪までは……転売することはできんぞ」


    30 :名無しさん 2020/02/20(木) 21:00:22.506 ID:Ll+fOiFV0.net

    女騎士「助かった、オーク。おかげで賊をのさばらせずに済んだ」

    オーク「俺も久々に大暴れできて楽しかったぜ」

    女騎士「だが一歩間違えれば、私もこいつのようになっていたかもしれないな……」

    オーク「そんなことはねえさ」

    オーク「お前はどんなにパニックになっても、弱い連中を虐げることだけはしなかったと思うぜ」

    女騎士「……ありがとう」



    この後、女騎士は騎士として怯える民の救助や統制によく努めた。

    やがて、コロナウイルスに有効な薬や魔法が開発されたことによって、事態は収束したという――







    END


    33 :名無しさん


    俺らの世界の騒動も早く収まって欲しいぜ



    この記事へのコメント