毒使い「今日はお前に最強の毒を教えてやろう」 弟子「お願いします!」

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    1 :名無しさん

    毒使い「この毒草と毒虫を組み合わせれば……」

    弟子(今日も師匠は研究に余念がないな……)

    毒使い「弟子よ」

    弟子「は、はいっ!」

    毒使い「お前も俺のもとに来て、もう半年になる」

    毒使い「今日はお前に最強の毒を教えてやろう」

    弟子「ホントですか!?」

    毒使い「ついてくるがいい」

    弟子「はいっ! お願いします!」


    4 :名無しさん

    フグ料理≪てとろど≫



    弟子「ここは……」

    毒使い「フグ料理屋だ」

    弟子(そうかなるほど、やはり最強の毒はフグ毒ということか……)

    毒使い「入るぞ」

    弟子「はい」


    6 :名無しさん

    店員「ご注文は?」

    毒使い「フグさし」

    店員「かしこまりました」

    毒使い「フグなんて久しぶりに食べるからワクワクするよ」

    弟子「ボクは初めて食べます!」

    毒使い「そうだったか。なら、じっくり味わうがいい」

    弟子(食べながら、フグ毒について教えてくれるのかな……?)


    10 :名無しさん 2020/04/02(木) 18:24:13.472 ID:vbxIL4/y0.net

    店員「お待たせしました」

    毒使い「おおっ、透き通ってる……!」

    弟子「キレイですね〜!」

    毒使い「いただきます」パクッ

    弟子「いただきます」パクッ

    毒使い「どうだ?」

    弟子「とてもおいしいです!」モグモグ


    11 :名無しさん 2020/04/02(木) 18:25:02.633 ID:Xmmw3J9br.net

    俺も食べたい


    14 :名無しさん 2020/04/02(木) 18:27:14.855 ID:vbxIL4/y0.net

    毒使い「いやー、食った食った」

    毒使い「どうだった?」

    弟子「本当においしかったです……! ありがとうございました、師匠!」

    毒使い「それはよかった」

    毒使い「じゃあ、次行くか」

    弟子「は、はい!」

    弟子(あれ……フグ毒は……?)


    18 :名無しさん 2020/04/02(木) 18:30:03.922 ID:vbxIL4/y0.net

    ≪工場≫



    毒使い「次はここだ」

    弟子(工場か……)

    弟子(化学薬品を扱う工場なら、劇薬も数多く取り扱ってるはず)

    弟子(その中に最強の毒があるということか! 勉強させて頂きます!)


    20 :名無しさん 2020/04/02(木) 18:33:16.097 ID:vbxIL4/y0.net

    工場長「お待ちしておりました」

    毒使い「こんにちは」

    弟子「はじめまして!」

    工場長「今日は、こちらのパン作りの工程をご覧いただきます」

    毒使い「よろしくお願いします」

    弟子「え……パン?」

    工場長「それではまず、生地作りから……」


    21 :名無しさん 2020/04/02(木) 18:36:43.359 ID:vbxIL4/y0.net

    ウイーン…



    工場長「このように、パンはベルトコンベアで流されていき、次々に焼かれていくわけです」

    毒使い「おお〜……オーブンから焼き立てのパンがどんどん出てくる」

    弟子「すごいですね」

    弟子(すごいけど、毒要素がまるでない……!)


    22 :名無しさん

    工場長「よろしければ、焼き立てをお召し上がり下さい」

    毒使い「これはどうも」パクッ

    弟子「いただきます」モグッ

    毒使い「おぉ〜、うまい! 外はサクサク、中はフワフワ!」

    弟子「ホントですね!」

    毒使い「おかわりいただけますか?」

    工場長「それはちょっと……」


    23 :名無しさん

    食べたい


    24 :名無しさん

    ≪ミニ動物園≫



    毒使い「お次はここだ」

    弟子「ミニ動物園ですか」

    毒使い「ここには小さな生き物が大勢いるんだ。直にふれ合うこともできる」

    弟子(毒ヘビだとか、毒のある生き物を教えてくれるのだろうか?)


    25 :名無しさん

    犬「ワン! ワン!」

    毒使い「可愛い〜!」

    犬「ワン!」フリフリ

    毒使い「おう、よしよし」

    犬「ワンワン!」

    毒使い「お手!」

    犬「ワン!」サッ

    毒使い「賢い〜!」

    弟子「……」


    26 :名無しさん

    猫「ニャーン」トコトコ

    毒使い「猫可愛い〜!」

    ハムスター「……」カラカラカラ

    毒使い「ハムスター可愛い〜!」

    ウサギ「……」ピョンピョン

    毒使い「ウサギ可愛い〜!」

    弟子「……」


    27 :名無しさん

    毒使い「ふぅ〜、可愛かった」

    弟子「……そうですね」

    毒使い「ん? お前、動物嫌いだった?」

    弟子「いえ、そんなわけではないですけど」

    毒使い「そうか。じゃあ、川に行こう!」

    弟子(川……!)

    弟子(汚れた川には猛毒が垂れ流されてる、だとかそういうことかな?)


    29 :名無しさん

    毒使い「綺麗な川だろう?」

    弟子「……ええ、とっても」

    毒使い「だろ? 子供の頃はここでよく遊んだもんさ」

    毒使い「メダカが泳いでる! そーっと覗いてみるか!」

    毒使い「ととっ、滑る!」バッシャーンッ

    弟子「なにやってんですか、師匠……」


    31 :名無しさん 2020/04/02(木) 18:57:22.538 ID:vbxIL4/y0.net

    ≪研究所≫



    博士「おう、よく来たな!」

    毒使い「お久しぶりです」

    弟子「こんにちは」

    毒使い「この博士は、古くからの知り合いでな。さまざまな研究や発明に取り組んでいるんだ」

    弟子(ということは、新しい猛毒の開発をしてるのだろうか?)

    弟子(いや、さすがにここまでくると、いい加減ボクも学習してきた)

    弟子(きっと――)


    32 :名無しさん

    博士「ワシが開発した50メートル伸びるマジックハンドじゃ!」ニョキーン

    毒使い「これはすごい! ものすごく遠くにある物も簡単に取れる!」

    博士「ただし、欠点があってな」

    毒使い「欠点?」

    博士「まず、50メートルも伸びるからメチャクチャ重い! あと距離も調整できんのじゃ!」

    毒使い「なるほど!」

    弟子「……」


    33 :名無しさん

    イグノーベル賞獲れそう


    34 :名無しさん

    博士「……ところで」

    毒使い「はい?」

    博士「そちらの若い子がものすごい顔をしとるんじゃが……」

    毒使い「気にしないで下さい。日頃からこんな顔なんで」

    博士「だったらよいのだが」

    弟子「……」ジロー…


    35 :名無しさん

    毒使い「いやぁ、面白かった! いつか博士の発明が認められるといいなぁ!」

    弟子「……」

    毒使い「どうした?」

    弟子「いえ……別に……」

    毒使い「なんだよ、奥歯に物でも挟まってるのか」

    弟子「……」

    毒使い「お前もしかして、俺がなかなか最強の毒を教えないことを不満に思ってるんじゃないか?」

    弟子「……」

    毒使い「どうなんだ?」

    弟子「……その通りです」


    36 :名無しさん

    毒使い「だったらはっきり言えばいいのに、なんで言わないんだ?」

    弟子「いえませんよ……」

    毒使い「なんで?」

    弟子「だって……弟子が師匠に意見するなんて、もってのほかですから」

    毒使い「だけど、言わなきゃ伝わらないこともあるじゃないか」

    弟子「ですけど……なかなか言えませんよ、やっぱり……」

    弟子「師弟関係に限らず、世の中そういうものですし……」

    毒使い「そう、それだよ! それなんだよ!」

    弟子「え?」


    37 :名無しさん

    毒使い「最強の毒……それは――」

    毒使い「言いたいことも言えないこんな世の中、だ」









    ― 完 ―


    39 :名無しさん


    サンキュー反町!


    45 :名無しさん

    コロナと絡めるのかと思ったらそんな事はなかった



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